昭和の時代、ドンブリに即席麺を入れ、お湯をかけてふたをして5分位立つと出来上がる、確かエースコックでしたでしょうか。飲み物は、三ツ矢サイダーにリボンジュース、缶詰は、みかん、桃、パイナップルなどしかなかった頃でした。
北区赤羽一丁目界隈には、タンメン・ジャージャーメンの美味しい「中華一番」と、蕎麦と五目中華そばの美味しい「更級」がありました。手打蕎麦の ひびき清水庵」は、当時美味しいラーメンもメニューにありました。あの頃の味は今も心に残っています。

そして赤羽一丁目の住宅街に、今も昔懐かしい味のラーメンをつくり続ける中華料理「中央亭」があります。JR赤羽駅から徒歩10分、地下鉄南北線赤羽岩淵駅だと徒歩5分くらいでしょう。町の昔ながらのラーメン屋さんです。外観からは経年を感じますが、店内、テーブル、イスなどは、とてもきれいでした。清潔さでご主人の人柄が分かってきます。

創業は昭和44年、神田で十年間修行を積んだご主人が始めました。勤務していた中国人の女性主人から学んだ味はそのままで、麺は今も同じところから取寄せています。ご主人夫婦と、出前担当の息子さんの三人で店を切盛りしています。

ラーメンの定番は、ナルト、しなちく、チャーシュー、刻みネギです。一口スープを飲んで、「あーこれこれ。この味だ。懐かしいな」と思い出していました。支那そば・中華そばの味です。素朴であっさりしている味が良いです。
最近評判の有名店のラーメンは、脂ぎっていたり、タネものが多過ぎたり、出汁に懲りすぎたりと進化が激しくて私にはついていけそうもありません。シンプル イズ ベストです。
「中央亭」の人気ベスト3は、1.広東麺、 2.みそラーメン、 3.半チャーメンです。壁に貼ってありました。
この味を作り出していた神田のお店の女主人は、当時50歳、今は104歳で健在だそうです。
修業した店の業種は現在は変わってるそうですが、息子さんは経済学の勉強をして、解説でNHKテレビに出たこともあるそうです。
修行を積んだ神田の恩師の家族の様子を、嬉しそうに語るご主人の笑顔が忘れられませんでした。
※ 平成30年5月中旬、ご主人の体調が良くなくて、惜しまれながら、閉店しました。
最近のコメント