
国土交通省は、2012年7月1日時点の基準地価を、9月19日に発表しました。
基準地価は、各都道府県が毎年7月1日時点の地価を調べ、国土交通省がまとめて公表しています。2012年の調査地点は、2万2264地点でした。
地価は、全国の全用途平均で前年比2.7%下落していました。21年連続で前年を下回りましたが、下落幅は3年連続で縮小しています。
東日本大震災の被災地宮城県では、津波による浸水を免れた高台などで、地価が上昇する地点がありました。
地価の回復傾向は、都市部から地方にすそ野が広がりつつあります。
東京、大阪、名古屋の三大都市圏では下げ幅は1.0%に縮まったほか、地方圏にも上昇や横ばいの地点が広がってきています。
東京圏の住宅地では、1.0%下げましたが、下落率は東日本大震災の影響を受けた昨年よりも縮小しました。
上昇地点は97地点に広がり、震災からの回復傾向が見られました。
東京の銀座や表参道では、外国人観光客や消費の回復を反映して地価は横ばいの地点が見られました。
スカイツリーの効果があった墨田区、葛飾区、足立区両区では商業地がプラスに転じています。
東京電気大キャンパスがオープンした北千住駅周辺も上昇しています。
東京都北区赤羽1丁目の商業地域では、横ばいでした。
横浜市と川崎市を中心とした神奈川県で上昇地点が増えました。昨年大型商業施設が開業したJR辻堂駅近くの住宅地も大幅に上がっています。
千葉県では、今年4月に開業したアウトレットモールの効果で木更津し全体で上昇していました。
しかし、南海トラフ巨大地震での津波の影響が懸念されるなど、安心安全を求める選択から、「湘南ブランド」として人気の高かった鎌倉市、藤沢市の住宅地では、海に近い土地を中心にして、下落幅4%前後と、神奈川県の平均より大きく下がる地点が見られました。
沿岸部では、津波のリスクが加わるようになりました。
欧州危機や円高などの日本経済への懸念材料があり、また、個人所得の低迷が続いていて、まだ地価の回復には不透明さが漂っています。
最近のコメント